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| 「パッケージはひとつの舞台劇」。2007年末に彭喜埶が新竹県関西郷のためにデザインした「趣遊碗」は心血を注いだ作品だ。子供の頃から地図を描くのが好きだった彼は、故郷関西郷の商店や景勝地、地形などを一つずつ縮小して直径12センチの染付けの碗に描きこんだ。その工程は版画の「画、刻、印」に似ている。町並みをパノラマ写真に撮り、Google Earthや3Dを利用してミクロ単位で立体的に複製した。さらに高温焼成の「釉下彩」という技術が難しく、実験を重ねてようやく遠近感や立体感が出せる窯元を見つけた。作品はシリアルナンバー付きの限定2000点で、記念品として価値がある。彭喜埶は生涯をかけて台湾のすべての町の碗を作りたいと考えている。 (左:林格立撮影) |
新竹県関西鎮の客家出身の彭喜埶は、小さいころからお茶作りを目にし、バケツを提げておばあちゃんと市場に仙草を買いにいくなどして、故郷への想いと責任を強く感じてきた。
38歳、文化大学美術学科卒業の彭喜埶は自分の事務所を設立し、キャラメル、パイナップルケーキ、仙草ゼリー、客家風漬物などの商業デザインを手がけてきた。すべて台湾風味濃厚な地方の特産物だが、その手にかかると村娘が上品な美女に変身したかのようである。
その名の一字「埶」は「芸」の古文字で、人が地面に跪き、棒を持って稲を植える形である。豊かな収穫を上げられれば芸が高いということになる。デザインでは製品の外観にアート感覚を加え、製品が売れて依頼主に利益をもたらすことを期待している。「商業デザインは商品の流通を助けるものです。消費者に財布の紐を緩めさせ、依頼主の売上に貢献するのが良いデザインです」と語る。
0.9キロの陶製の漬物壺は、リサイクル木屑で成型した板で固定し、紙紐をつけて、持ち運びの便を考えた。
講演会場で自分のデザインしたこの作品を紹介するたびに、彭喜埶はうっかり陶製の壺を床に落として見せる。驚きの声が上がる中、彼は得意そうに「これまで一度も壊れたことはありませんが、欠点といえば、お買い上げになってこれを提げて歩くと、ラベルが丸見えで、広告の手伝いをしてるようになってしまうところでしょうか」という。
これが2008年、ドイツのiFデザイン賞を取った3作品の一つ「郭家荘客家の伝統漬物」である。もう二つは鉄灰色のボール紙に、依頼主のニュースを報道するフィクションの新聞をプリントして、新聞紙を包装に使った、昔をしのばせる「阿煥伯の客家漬物シリーズ」、茶摘篭を使った有機緑茶の「世外茶園」である。デザインはレトロな台湾好みで、台湾農産物の新しい生命力を表現する。
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